ミックスボイスを身につける為の具体的なボイストレーニング~その2~

【このページは連載コラム「【まとめ】ミックスボイスを習得して高い声で歌う方法」の一部のページです】

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前回に引き続きミックスボイスを身につける為の具体的なボイストレーニングをお送りしましょう。

今回は高音部分で過剰に喉仏を上げてしまう「high lift(ハイリフト)」と声帯を閉鎖する力の弱い「no close(ノークローズ)」の方へ向けた内容になります。

high lift(ハイリフト)高音発声時に喉仏を過剰に持ち上げてしまう方の症状

「high lift」の説明をするのですが、前にも説明しましたが「no extend」の方の大半はこの「high lift」を併発しているので注意してお読みください。

「high lift」とは高音発声時に喉仏を過剰に持ち上げてしまう症状を指します。

高い声を出す時に平常時よりも喉仏が過度に上がってしまっている状態の事を指します。

下記のイメージ図のような感じです。

外見的な特徴としては、高い声を出す時に首筋が浮き出るのが特徴です。

音質的な特徴としては、声が歪んでしまったり、まるで金属を削っているかのようなキンキン声になってしまうのが特徴です。

high liftがなぜ歌う上で克服しておかないといけないかを理解する為には、喉仏に関する知識が必要になるので先に説明しておきましょう。

まずは、自分の首を触り喉仏の位置を確認して下さい。

女性の場合は男性よりも喉仏が小さく確認しにくいので、苦しくならない程度にグッと首を手で押さえながら喉仏を探してみましょう。

喉仏の位置が確認できましたら唾を飲み込んで下さい。

唾を飲み込む時に喉仏が上に上がるのが確認できると思います。

これはどういう事かと言いますと、人間は飲み物や食べ物を飲み込む時に首の空間を絞めます。
そして、絞める時に発生する圧力で飲み物や食べ物を胃の中へと送り込むのです。

という事は喉仏が上がるという事は首の空間が締まるという事を意味します。

そして、首の空間が締まってしまえば、まるで首を絞められながら歌っているかのように声が上手く出せなくなってしまいます。

また、声帯にも過度な圧力をかけてしまい機能不全を起こしてしまいます。

ここで一つ注意点を説明しておきましょう。

high liftを起こすと、シャウトしやすく攻撃的な声質が作れるので、ロックなどの一部のジャンルのアーティストさんはあえてhigh liftを起こしている方もいらっしゃいます

なので、「high liftでもいいじゃないか!」とおっしゃる方もいらっしゃいますがそれは違います

そういう方達はあくまで、わざとhigh liftを起こしているだけで喉仏を下げて歌う事も可能なのです。

高い技術をもってコントロールしている事を忘れないでください。

現時点で高い声が出ず、声帯をコントロールできない状態でhigh liftのまま高音発声のボイストレーニングをしても、ほとんど効果はないどころか、ますます悪くなる可能性が高いという事を頭に入れておいて下さい

high liftを解消するボイストレーニング

high liftを起こしている方は

  • 喉仏を下げる筋力が足りていない
  • 声帯や声帯に関連する筋肉が硬い

事が主な原因になります。

なので、high liftを克服する為には

  • 喉仏を下げる筋肉を鍛える
  • 声帯や声帯に関連する筋肉を柔らかく使えるようになる

事を目的としたボイストレーニングが必要となります。

それでは、high liftの症状を解消する初級のボイストレーニングを1つ紹介しておきましょう

まずは動画をご覧ください。

「ヨウ」という言葉を使って低い音から高い音まで発声してみましょう。

ポイントは「ヨウ」と発音する時に喉仏を下げながら発声する事を意識する事です。

「ヨウ」という言葉な高音でも喉仏が下げやすい上に、喉仏を下げる筋肉を鍛えてくれます。

また、声帯に関連する筋肉を柔らかくしてくれる働きがあります

最初は小さい音量でいいので、なるべく低い音から軽く発声して、高音部分との音質の落差を少なくする事を心がけて下さい。

動画で紹介した「ヨウの駄目な例」のように強く声を出し過ぎてしまい、声が詰まらないように心ががけて下さい

声を強く出し過ぎて高音部分で声を詰まらせてしまうとボイストレーニングの効果がなくなってしまうので注意が必要です。

力み癖が強くついてしまっている人で、どうしても軽く発声できない方は「ヨウ」を少し変えて動画で紹介した「ヒョウ」と発声してみて下さい。

「ヒョウ」は「ヨウ」に比べて軽く発声しやすい特徴があります

「ヒョウ」で軽く発声する事に慣れてきたら「ヨウ」に戻り、「ヨウ」でも軽く発声できるようになります。

「ヒョウ」を使っても軽く発声ができない頑固な力み癖を持っている方は、前に紹介した「no extendを解消するボイストレーニング」の「ファ」という言葉を使ってみて下さい!

「ヨウ」を使ってボイストレーニングをする際はもう一つ注意点があります。

それは喉仏を過度に下げ過ぎないように注意する事です。

「喉仏を下げよう!下げよう!」と過度に意識しすぎると、これもまた声帯に関連する筋肉に強張りを生じさせてしまいます。

また、声を飲み込んでしまいやすいので、思ったように声も出なくなってしまいます。
この状態もボイストレーニングの効果がなくなってしまいます。

適度に喉仏を下げながら、低い音から高い音まで軽く発声できるようになりましょう!

  • もう一つボイストレーニングを紹介すると「ボ」という言葉が有効です。

「ボ」という言葉は母音に「オ」を含むので声帯に関連する筋肉を柔らかくしてくれる働きがあります。

また、子音に「B」を含むので喉仏を下げやすい上に、いい意味での強い声を作る働きもあります。

要するにミックスボイス特有の柔らかいのに強い声の基礎を作ってくれるボイストレーニングだと考えて下さい。

ポイントは「ボ」と発声する前に「B」の子音で1回唇を噛みしめる事を意識する事です。
その唇を噛みしめる力を普段よりも強く噛みしめ、その力を利用して喉仏を下げながら「ボ」と発声して下さい。

動画で紹介した「ボの駄目な例」のように子音の「B」を疎かにしてはこのトレーニングの効果が少なくなってしまうので注意しましょう

どうしても「B」の感覚を掴めない人は参考動画のように「ボ」の前に「ン」をつけて「ンボ」というように発声しましょう。

そうする事により、唇を噛みしめる意識が強まるので喉仏も下げやすくトレーニングの効果も上がります。

high liftを解消する「ヨウ」の注意点

  • どの音程でも声が詰まらないように、低い音から高い音まで軽く発声しましょう!
  • 喉仏を下げる力を過度にかけすぎないように注意しましょう!

「ボ」を使ったボイストレーニングの注意点

  • 子音の「B」発声時に唇を噛みしめ喉仏を落としましょう
  • 子音の「B」の感覚が分かりづらい方は「ンボ」から始めましょう

no close(ノークローズ)声帯を閉鎖できないの方の症状

no closeの方は、低い音でも高い音でも常に息漏れ状態を起こしていて、大きな声や強い声が出せないのが特徴です。

no closeの方は、声帯の

  • 閉鎖が緩すぎる

のが大きな原因です。

先に重要な事をお伝えしておきますと、no closeの方はno extend、high liftを解消するボイストレーニングで紹介した「ヨウ」「ファ」などはやらないで下さい

no closeの方が真っ先に解消しないといけないのは「声帯の閉鎖が緩すぎる事」なので「声帯の閉鎖を緩めて適度にする」為のボイストレーニング「ヨウ」「ファ」などは逆効果になってしまいます。

なので次に紹介する「no closeを解消するトレーニング」を先にしっかり行う事から始めて下さい。

※これは逆にno extend、high liftの方にも言えます。

次に紹介するno closeを解消する為のトレーニングをno extend、high liftの症状を解消してないまま行うと更に声帯の閉鎖を強め、声帯や声帯に関連する筋肉をさらに固めてしまい、高音時に過剰に喉仏を上げてしまう症状も悪化させてしまいます。

自分達がどの症状が問題で高い声が出ないのかを把握し、真っ先にその一番問題となっている症状を解消してから次のトレーニングに移るようにして下さい。

no closeを解消するボイストレーニング

先に説明しましたが、no closeの方は最初に声帯の

  • 閉鎖を強める

必要があります。

まずは動画をご覧ください。

まずは「AA」という言葉を使いましょう。

「AA」とは英語の母音で日本語で言う所の「ア」に「エ」を混ぜたような母音です。
濁点がついたようなエッジ音も大きな特徴になります。

no closeの方はとにかく声帯を閉鎖させる事が苦手です。

なので、今まで使っていたような低音域から高音域にまたがるようなスケールでは、声帯の閉鎖を保つ事が難しいと思いますので、参考音源のように無理なく声が出せて、声帯を閉鎖しやい音のみで練習をして下さい

動画で紹介しているような、「AAの駄目な例」のように息が漏れていたり濁点がついたようなエッジ音が消えてキレイな発声にならないように気を付けて下さい。

声帯の閉鎖がしやすい音でしっかりと発声できるようになりましたら、次に紹介する動画のように低い音から高い音までエッジ音が保てるようにトレーニングしてみましょう。

no closeの方ボイストレーニング内容

  • 何より先に声帯の閉鎖を強める「AA」を低音でトレーニングしましょう。
  • 声帯の閉鎖に慣れてきたら「AA」を低音から高音までトレーニングしましょう。

全ての症状の方への注意点

  • 違う症状の方のトレーニングを行うと逆に悪化する可能性が大です。必ず症状が解消・または緩和されるまでは、自分の症状に適したトレーニングを行いましょう。
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